刀狩り―武器を封印した民衆 (岩波新書 新赤版 (965))

刀狩り―武器を封印した民衆 (岩波新書 新赤版 (965))

刀狩り=武装解除ではなくて、刀狩り=身分の別を明確にするということであって、民衆が武器の所有を禁じられたわけではない。
近世の農村には、農具としての鉄砲が藩が備える鉄砲よりも多くあり、刀もまた然りであった。
民衆は、武器を取り上げられて丸腰になってお上に従わざるをえなかったのではなく、武器の所持を否定されず、実際に豊富な武器を持っていた民衆が自ら武器の使用を抑制し、平和を保っていった。
お上に従うばかりの民衆ではなくて、民衆の主体性があったことを武器の観点から論じた書。こういうところから歴史は再構築されないかんのんやろうな。