旅の民俗学

旅の民俗学

旅についての宮本常一の対談集。旅、とくくると逆に話が小さくなってしまう。江上波夫・国分直一との対談「日本人とは―その起源にさかのぼって」(初出『時代』、1971年11月)では、縄文中期には農耕があったのではないか、といって言下に否定されているが、今ではそんなふうに否定することはできないだろう。
後ろの方に、海に生きる人々の話がでているが、どれをよんでもおもしろい。泉州の漁民は、時代によって消長がはげしい。理由は、景気が良くなれば商売をして、失敗すれば漁民になって、ということをしているかららしい。うむ〜。
まぁ、聞いた話は随所にでてくるのではあるが。