『炉辺夜話』(isbn:4309224296)読み終わる。
なかなかひとことでは語れない。
終戦前後、大阪では栄養失調がなかったそうな。それはなぜかというと、宮本常一がムラの篤農家をすべておさえていて、そこに頼んだら、国が出さへんところでも、篤農家が出せ、というと絶対ものがでてきたかららしい。
京都もそうで、丹波、丹後の農村をがっちりと押さえていて、都市が飢えないシステムがきっちりできていたらしい。それは、近代に国家がつくりだしたものではなくて、近世以来、宮本がいうには山城国一揆、のものなのだそうだ。
大阪というのは、大阪の周辺に都市が成立していて、その都市の頂点に大阪がある体制だったらしい。綿などそういうものは、まず農村の中心になる都市に集まって、そこから大阪に集中していくらしい。東京はそういうシステムではなかったらしい。だから、東の方にあるような、だらだらどこまでも続く都市、というのは大阪にはなかったらしい。そういう都市の周辺に集まる人々は、大阪に集中するのではなくて、周辺都市に分散していたかららしい。