辺境を歩いた人々

辺境を歩いた人々

近藤富蔵はよかった。感動した。
あとのやつはどうだろう。いまいちのような気がする。
何がいまいちかと考えるに、ほとんどの人が、個人的とか、地域をなんとしようというのではなく、国家的なレベルで、個人的あるいは、国家の援助の元に活動した人たちであるところ。「辺境」というところが、菅江真澄とか近藤富蔵たちをのぞけばそういう意識のもとにしか立ち現れてこないことを結果としてあらわしているようなきがする。
結局、宮本の筆致も菅江真澄とか近藤富蔵は筆が走っているが、それ以外の人はあまり闊達でないようなきがする。
でも、こんな人たちの伝記ばかり子供向けに書いてしまうというところが偉大なる宮本常一なんだろう。